嫌いな人をガソリンと呼ぶ。
今日から私はそうすることにした。
いい人になろうと、偽善者でもいいから毎月募金をしてみたり、
電車で席を譲ったりしてるけど、愛想笑いもしてみるけれど、
どうやったって嫌いな人が登場する。
あちらから飛び込んでくる。
もう終わったというのに、まだ脳みそに居座っている人がいる。
「やあ、おつかれ、私のガソリン」
顔も見たくないけれど、見てしまったら、
もし、頭の中に浮かんでしまったら、そう心の中でつぶやく。
私のガソリンよ、今日も悪魔になってひどい事を言えばいい。
私のことをゴミだのクズだの言えばいい。
冷たい女、キツイ女、こわい女、うるさい女。
その度に、言われる度に、燃やしてやる。
燃やして怒りのパワーを増していくから。
この怒りのパワーを使って、新たなモノを生み出してやるから。
そうやって、ガソリンになればいい。
目の前に登場するのなら、私のガソリンになればいいんだ。
いくら暴言を吐かれようが、決してひるまない。
泥水をすすりながらでも、立ち向かってやる。
せっかく出会ったのだから、ガソリンを有効活用してやるよ。
嫉妬、強欲にまみれたその負のパワーは強大だからね。
その強大なパワーを変換させて、作り変えてやるんだ。
お前らが大嫌いなモノに変えてやる。
これからどんな嫌いな人が現れようとも、ガソリンが増えるだけだ。
私のパワーになるだけだ。